じんじろうの書きつけ

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【あなたの会社は大丈夫?】こんな人事にがっかり 残念な人事あるある3選

 たいていの会社にはある人事部。そのぶん世の中の人事スタッフもいろいろだ。

 

 人事には、採用や研修などポジティブな仕事から、評価やメンタルヘルス、ハラスメント対応などひとの機微にかかわる仕事もある。

 

 そうした仕事にかかわる人事スタッフには、当然高い専門性とプロ意識が求められるのだが、そうでもない人事がいるのもまた事実。今日はこれまで出会った残念な人事をご紹介しよう。

 

■におわせ人事

 人事であれば、担当にはよるが、社員の評価や給料も知っているし、360度サーベイの結果、持病や家庭の事情まで知ることもある。

 

 もちろん人事には守秘義務があり、口外無用のセンシティブなことがらを扱うには、高い倫理観が求められる。

 

 また他部署の社員も、ある程度の社会人経験があれば、人事社員がそうした存在であることを理解したうえで接するようになる。人事に言えないことがあるのは承知のうえだからだ。

 

 しかし、なかにはそうした「わたし職務上、いろいろ知ってます」をにおわせる人事がいる。経験の浅い人事や、ニュートラルに考えられない、ねっとりとしたさばけきれない人事に多い。

 

 そしてこのとき、『におわせる』だけであって、情報を漏らすわけではないのでさらにタチが悪い。

 

 聞いているほうは「この人はいろいろ知ったうえで話してるんだ」と圧力を感じ、また「どこまで、何まで知っているんだろう」と想像をめぐらせることになる。あえて求められていることを忖度したりして、ある種の権力を前にしたような萎縮した受け答えになるだろう。

 

 こうした「におわせ系人事」は、百害あって一利ない。におわせ系の彼らが知ったその秘密は、職務上偶然知りえただけ、ということを忘れがちだ。

 

 たとえば経営層のような特に情報の集まる地位なわけでもなく、「人事という役割だから」情報が入ってくるにすぎない。人事はともすると、そうした「謎の全能感」に包まれることがある。むしろ淡々とニュートラルに情報をさばいていくほうが、よい人事になるには向いているといえる。

 

■研修の締めは・・・

 研修に携わる人事に意外と多いのがこのタイプ。

 

 研修に企画段階から深く携わった人事であれば、どんな育成課題に対応してこの研修をおこなっているのか、さまざま検討してきているはずなので、その研修のねらいを理解しているが、

 

 単に「研修会社にオーダーして講師を選び、研修を実施すること」を研修担当の価値だと考え違いをしていると、このタイプの人事が生まれてしまう。

 

 このタイプのがっかり人事は、研修終了後に講師にお礼を伝え、受講者にもう一度拍手を求めつつ、残念な締め方をしようとする。

 

「本日は長時間お疲れさまでした。いかがでしたでしょうか。今日、講師の先生に教わったことをそのままにせず、ひとつでも実践に移すことが大切です。そうです、答えはもう、みなさんの中にあるのです・・・!(やり切った顔)」

 

・・ん?なんだこの余韻は。

わかるようでわからず、よく考えると何かを言ってるようで、何も言っていない。

 

 残念な人事により急にこちらに結論を投げかけられた感じが、この研修が雑に設定されたプロセスを表す気がして、萎えてしまうのだ。

 

■浅いアドバイス

 最後にもうひとつ、がっかり系人事を紹介しよう。採用系の残念な人事に多いのがこのタイプだ。

 

 特に新卒採用では、相手が学生であることもあり、その経験不足に助けられる形で、残念人事の軽薄なアドバイスが繰り広げられてしまう。

 

 主なものをみてみよう。

 

①「キャリアは10年後の自分を思い描いて、そこから逆算してみると良い」


→いまや10年後を予測できるほうが特殊能力で、むしろその超人スキルを活かした仕事をしたほうが良いくらい。また自身が10年前に現在を見通していたかも疑わしい。

 

②何を聞いても「時と場合による」
 

→学生がアドバイスや見解を求めているのに、「いやあ、それはケースバイケースだね」などと正面から回答するのを避けつつ、「自分はもっと考えている感」を出す。実は学生からの質問に内心ドキッとしていて、回答を考える時間稼ぎであったりする。

 

 あげくに「それはケースによるけど、どんなケースを想定しているの?」と逆質問したりして、もうアドバイスの体をなしてもいない。

 

③やけにマウント

 

→新卒面接をしていると「もし合格したら、入社までに何かしておいたほうがいいことはありますか?」と聞かれることがある。

 

 面接官は、「学生時代は時間もあるだろうから、そのときしかできないことをしたらいいよ」などと答える。ここまではよくある話だ。

 

 しかしがっかり人事はここに余計なことを付け加えてしまう。「会社に入ると忙しくて、そんな暇も取れないからね、今だけだよ、今だけ」というようにだ。なぜか愚痴かマウントをとってしまう。

 

 これを聞いた学生の表情は、この場合たいてい苦笑い。なんて答えたらいいのやら。面接の最後がこれでは、入社したい意欲は高まりそうにない。

 

 たいていの会社にある人事部。そのぶん世の中の人事スタッフもいろいろだ。あなたの会社にもそんながっかり人事がいるかもしれない。