【転職面接で迷ったときはコレ】良い退職理由とその3つのワケとは?
転職したい!そう思ってエージェントに登録。
いくつか紹介を受けて書類を出してみると、あれよと言う間に面接をすることに。いかん、退職理由を聞かれたらなんて答えよう。まさか「こじれた人間関係にうんざりした」ってほんとのことは言えないし・・。とお悩みの方もいらっしゃると思います。
そこで、自身も5社経験、数千件の面接をおこなう中で蓄積した事例から、「良い退職理由」をこっそりお教えします!
▪️良い退職理由①「ポジティブな不可抗力」
退職理由を面接官に問われたとき、多くの場合は、「スキルアップや次のステージを求めての転職」と説明するでしょう。
しかし、自身の職種でのスキルがどのような順番で上がっていくのか、ステージはどのように整理できるのか、ということを十分に考えられていないと、この退職理由はもろ刃の剣となります。
「それって、スキルアップになっていないんじゃない?」「あまり考えずにスキルアップと言っているな、ほかに退職理由がありそう」などと面接官の心象は悪くなるでしょう。
一方で、「ポジティブな不可抗力」は有効です。
例えば、
「望まない異動辞令があった。そのときは及び腰だったが、試行錯誤しながら取り組んでいるうちに新たなやりがいを感じるようになった。もっと異動先での専門性を高めていきたいと思っていた矢先、この求人に出会った」
というような退職理由は、異動という偶然から自身の可能性を拡げたエピソードとして、不可抗力ながらステップアップ感があります。
異動先で得たやりがいと専門性をもっと高めたいから、御社の求人がぴったりだと思った、という理由は、面接官に好印象で受け入れられるでしょう。
▪️良い退職理由②「究極の2択、自身の理念に従いたい」
年次を重ねていくにしたがって、どちらが正解とは言い切れない課題に対することもあるでしょう。転職理由もそれに当てはまる場合があります。
例えば、人事の仕事であれば人を採用して社員を増やす時期がある一方で、業績が悪化すれば、早期退職制度の設計や社員へのコミュニケーションをしなくてはならなくなる時期もあります。
これらは、同じ人事の同じ担当者の仕事となり得るわけです。同じ「人事」という仕事ながら、一方では人材を獲得し、他方では人を切る。
会社が存続するためには、両方が必要なことですし、どちらも重要な人事の機能です。
しかし、いち人事パーソンとしては、この究極の2択に対して、
「会社として、人事として必要なことはもちろん理解しているが、自身の働く理念としてはよりポジティブな仕事に就きたい。だから早期退職制度の設計にチャレンジするよりは、転職を選んだ」
という退職理由は、もっともと捉えられます。
この際に重要なのは、「人を切ることが会社としては必要」ということへの理解を、十分に伝えることです。
そうすることで「この人はわかったうえで、究極の2択から選択しようとしているのだな」と、むしろ信念として受け止められるでしょう。
▪️良い退職理由③「人間関係に疲れた」
一見、人間関係を理由とした転職は、「甘い」と捉えられたり、「それはどこでも同じです」と面接官に思われたりしがちです。
しかし話しようによっては、これは有効な退職理由になり得ます。
するとたいていは「どれだけ人間関係がひどかったかを、強調して話そう」と考えがちですが、それが誤りのもとです。
おこなうべきは、人間関係の悪い現状に対して、どこが課題であるかを客観的に示し、自身が取り組んだことを列挙していくことです。
ここで面接官に伝えたいのは「いかに人間関係があり得ないほどひどいのか」ではなく、あなたの「課題設定力」です。
人が集まれば良いことも悪いことも起こり、ニガテな人や中には自身にとっていじわるな人も出てくることを、どの面接官も知っています。
その状況をどう観察して、「課題」ととらえ、自身の工夫でアプローチしたのかを話していきます。それが客観的で分析的であるほど、あなたは「課題設定力」が高い人材として、面接官には映るはずです。
この転職理由は、「人間関係の悪さを分析し、自身なりにアプローチしたが、それでもうまくいかなかった、だから転職を考えるに至った」という展開になります。
単に「目の前の課題に対して諦めた」という印象を持たれるのを避けたいので、「あらかじめ〇〇までやってダメだったら、転職も考えようと思っていた」という水準を話に織り交ぜ示しておきます。
それがあることで、「そこまで考えて実行したのに変えられないのは、あなたの責任範囲を越えているね」という受け止めを面接官に抱かせることができるわけです。
このように、退職理由の説明は、話しようによってはスキルや経験の内容にも増して、転職したい会社のカルチャーや、大切にしている考え方へのフィット度が測られるものになります。
また、退職理由は必ず聞かれる質問でもあるので、しっかりとプランニングして臨みたいですね。