じんじろうの書きつけ

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【転職面接で迷ったときはコレ】「希望年収」はこう伝える!3つのポイント

 転職面接で必ず聞かれる「希望年収」。どんな人でも収入は上がるに越したことはないが、どう伝えるべきか迷うことも多いはず。

 

 面接官に「そんなに高望みを?」と思われるのも嫌だし、でもここで謙虚になりすぎて収入アップのチャンスを逃すのも嫌だ・・

 

 そんな方にお送りするのは、数千件の面接実績だから言える、「希望年収の伝え方」のベストメソッド。これでチャンスをみすみす逸してしまうこともなくなるはずです。

 

■おカネの話は面接のなるべく最後に

 たいていの場合、「希望年収は?」と聞かれるのは面接の最後、質疑応答の前です。そのため、「これまでの面接時間で、あなたの評価はもう定まっている」と考えたほうが良いでしょう。

 

 複数の面接官がいる場合は面接後にすり合わせをおこない最終的な合否を決めますが、それでも面接官一人ひとりは、自分は合格にするか不合格なのか、この質問をする前に、もう心の中では決めているのです。

 

 つまり、「希望年収は?」と最後に聞かれるときには、『その返答によって合否が動く』ということは、よほどのことがない限りないことになります。

 

 もし、あなたが面接官の想定よりも低い金額を返答した場合、合格であれば「お買い得」でしょうし、不合格と決めているならあまりその金額は意味を持たず、定型的に聞いたまで、とそのまま不合格になります。

 

 そのため、面接の中で良い感触(面接官が合格と考えていそうなサイン)を感じ取ったのであれば、少なくとも現年収からのダウンを受け入れる発言や、本音よりも少ない金額を答えることは必要ないでしょう。

 

 もともと応募時から職種を大きく変更するなどの理由で年収ダウンが見込まれている場合などを除けば、「現年収維持」は普通の考え方なので、謙虚すぎる返答をする必要はありません。

 

 一方で、面接の最中に「合格しそうな好印象」を感じ取れない場合もあります。このときは、エージェントからの紹介であれば、そこへ申告した希望年収と大きく乖離しない範囲での希望を伝えるのが無難です。

 

 エージェントに申告した希望年収は、あらかじめ求人企業に開示されていて、面接官もその前提で面接に臨んでいます。

 

 面接で「合格しそうな好印象」を感じ取れれば、事前のあなたの希望年収情報は少なくともクリアされている、と言えるので交渉の余地があるわけです。

 

 エージェントからの紹介でない場合は、面接の場で初めて希望を伝えることになります。この場合も基準となるのは現職年収です。面接での感触を見極めて、「維持か、できればアップもしたい」という伝え方は一般的なので違和感はありません。

 

 一方で、困るのは、面接で「当落ギリギリか、不合格の可能性が高そう」という場合です。

 

 この場合は、捨て身ではありますがどうしても受かりたいのであれば、

 

「求人票や、今日の面接でのお話を伺い、自身の経験やキャリアでは〇〇の部分では貢献できると考えていますが、△△はまだ学ばせていただく必要があると感じています。希望年収については、その点を考えると現年収よりダウンすることは受け入れたうえで、御社に貢献したいと考えています」

 

 と言ってみるのも、どうしても入りたい会社への最後の粘りとしては、アリかもしれません。

 

 これらは、「おカネの話を面接の最後にする」というのを前提にしています。

 

 他方で、特にカジュアル面談のような、ややフランクに希望をすり合わせる機会などでは、希望年収を先に聞かれるケースがあります。

 

 このパターンはやりにくく、先に伝えた希望が高い場合は、その水準での受け答えを求められますし、低い場合は、「なぜ低く希望を申告するのか、背景があるのでは?」という面接官の疑問を、これから始まる面接で解く必要が生まれてしまいます。

 

 それがノイズになることを理解している面接官は、おカネの話は最後にしたほうがよいことを経験的に知っていますが、もし先に聞かれた場合は注意が必要です。

 

■現年収と希望年収の内訳を明示

 面接では「ご希望の年収は?」と聞かれることが一般的です。たいていの方は「600万です」などと答えると思います。

 

 これは間違いではありませんが、より希望を明確にするには、例えば月給制なのか年俸制なのか、ボーナスは年額いくらか、月収に占める残業代や他の手当は、など内訳を明らかにして、確認しておくのが得策です。

 

 内訳を詳しく聞いてくれない面接官もいるため、こちらから話す必要がありますが、「少し細かいお話ですが・・」と前置きして言えば、これも面接の場面で違和感のあることではありません。

 

 条件面を大切に考えている面接官ほど、「しっかりしている」、「仕事でも詳細まできっちり詰めそうだな」と、頼もしい印象になるでしょう。

 

 企業によって年収に占めるボーナス比率は異なるため、年収は同じでも月収は下がる、ということが起こりえます。

 

 また、現職では残業が月収の多くを占めていて、転職先が固定残業手当で残業量が減る場合も、同じく毎月の生活に直結する月収が変動してしまうため、よく希望とすり合わせるようにしましょう。

 

■面接後に希望を覆さない

 エージェントからの紹介を受けて応募した場合、面接後にエージェントから感想や、改めての希望条件などをヒアリングされます。

 

 ここで注意が必要なのは、そうした情報は面接を受けた企業に伝わっている可能性があるということです。求人企業も、面接後にあなたがどのような感触を持ったのか、他に受けている会社よりも魅力を感じてくれたのか、ということはとても知りたい情報です。

 

 そのため、求人企業とエージェントは面接が終わるたびに細かに打ち合わせをおこなうわけですが、そこで「面接で聞いた希望年収」と「あなたがエージェントに話した希望年収」が異なっていると、求人企業にはネガティブに影響します。

 

 仮に、面接を終えてしばらくたち、落ち着いて考えると「もう少し高く言えばよかったかな」と思い、エージェントには希望を高く申告したりすると、

 

 求人企業からすれば「面接での発言は何だったんだ」という印象になります。また、前言を翻すことが、求職者の仕事ぶりを表しているように感じられるため、ネガティブに働くのです。

 

 面接で高評価である場合や、他の会社から好待遇で内定が出ている場合などは、あえてエージェントをとおして交渉に出る、という作戦もありますが、

 

 「交渉してくるなら無理には採用しない」という反作用が起こるリスクもありますので、慎重さが求められます。

 

 このように、「希望年収は?」という短い面接での確認ひとつをとっても、その返答や対応によっては好条件を得られたり、信用を高めることができます。

 

 年収は上がったほうがいい。転職面接で賢くそれを勝ち取っていきましょう。